2017年3月26日日曜日

母になる③いざ出産!

遂にその時が来た。ベッドにガスボンベや必要なものが取り付けられていく。私は薄ピンク色の手術用ガウンに着替えて何とも言えない期待と緊張の中、ベッド上で待機。手術室にはこのベッドに乗せられてベッドごとガラガラと移動する。

時間になった。担当の看護師さんが「では行きましょう」と言って2人がかりでベッドをガラガラ移動し始める。「ああ、もう後には引けないんだなあ…」なんて当たり前のことを考えながら扉の前で家族に見送られ、大きなエレベーターで手術室に移動。
そこからはプロの方々により、どんどん準備が進む。あれよあれよという間に全裸にされ手術台の上へ。脊椎から麻酔が入れられる。全く痛くない。少しすると足元から温泉に浸かってるみたいになんだか温かい感覚になる。麻酔科医の先生が麻酔が効いているか体に触れて確かめていく。
「気分が悪くなったら教えて下さいね」と言われるが、緊張で「はい」と答えるのが精一杯だった。すごく怖い。怖いけど気丈にしてなきゃ。この手術に関わって下さるスタッフの皆さん、そして産まれてくる赤ちゃんの為にも、恐怖心を捨てて全てを任せよう…。

「それでは始めます」
きゃ〜〜、遂に体にメスが入る…!!ドキドキ…
当たり前だけど麻酔が効いているので痛みは全く無い。けれども触られている感覚はあるので何となく、何をされているのか分かる。それがとても怖かった。ああ、今頃私のお腹は…なんて考えたり考えないようにしたり、手術室の時計の針を見て気を紛らせていたら、「赤ちゃんもうすぐ出ますよ!お母さん頑張って!!」と言われ胸の下あたりを先生がものすごい力で圧迫してきた。切開した部分から赤ちゃんを出すためにお腹の上の方を押しているようだった。
フグゥ…!!何これ苦しい!!!先生聞いてないよ〜〜と思いながら私も歯を食いしばって耐える。



「フニャ…フン二ャー!フン二ャー!」


う、産まれた…!!!赤ちゃん産まれた……
安堵で自然と涙がでる。左側を産まれたての赤ちゃんが通っていく。「綺麗にしたらすぐに連れて来ますからね、お母さん頑張りましたね」と流れた涙を優しく拭きながら助産師さんが声を掛けてくれた。まもなくして赤ちゃんを胸の上に連れて来てもらう。ホカホカで温かい。小さいのに大きな存在感。目がうっすら開いて、目と目が合った。《私たち、頑張ったね!やったね!!》って言葉を心の中で交わす。

そこからは私の後処置。胎盤を綺麗に剥がすのに時間がかかっているのか、母体の後処置の方がずっと時間がかかる。「もうすぐ終わりますよ」先生の優しい声を聞きながら、私は体が震え出していた。寒くはない。ただ震えが止まらないのと、何だかボンヤリ気持ちが良い。ああ、死ぬ時ってこんなかなあと思う。

後から母子手帳を見たら出血が多量のところにマルがついていた。その後入院期間も貧血で倒れかけたり、退院後もしばらく大変な期間が続くとはこの時はまだ分からなかったのだけど。出産て本当に命懸けなんだな、と思った。

2017年3月18日土曜日

母になる②妊娠後期〜入院当日

幸いなことに経過は順調で出血もなく、妊娠後期を迎えることができた。胎盤はまだ上がらないまま。子宮口(赤ちゃんが出てくるところ)をがっつり塞いでいるらしい。このままだとやはり普通には産めない。赤ちゃんより胎盤が先に出てきてしまう可能性があり、そうなると胎盤から赤ちゃんに酸素が送られなくなるので、最悪の場合酸欠で死んでしまうからだ。また、多量の出血が見込まれるため、母体も命の危険にさらされる。そういったリスクをなるべく少なくして出産できる方法が帝王切開と言うわけだ。

妊娠9ヶ月に入ろうかという頃、帝王切開での出産に備えて貯血をスタート。貯血というのは自分の血を輸血バッグに予め取っておいて、手術での輸血に備えておくことだ。一週間ごとに400ml、これを三週間行い計1200mlの貯血を行った。貧血を抑えるために鉄の薬を飲みながら、これを頑張れば、もうすぐ赤ちゃんに会える…!と、どきどきわくわくしながら貯血に通った。

そして12月、2016年も終わりに近づき始めた頃、出産予定日(帝王切開実施日)を主治医の先生と決め、諸々の手続きに追われながらあっという間に大晦日。予定日は1月11日になった。

2017年、年が明ける。もうすぐ会えるのが嘘みたいだね〜なんて言いながら部屋を整えたり、必要なものを確認したり、夫婦で穏やかな日々を過ごす。

そして入院当日。病院の個室からは東京タワーとスカイツリーが見えた。
私、ここで赤ちゃんを産むんだな、この景色は一生忘れないだろうなと思った。

母になる①妊娠〜転院

ずっと更新できずにいました。
1月11日、元気な男の赤ちゃんを産むことができました。
今は出産前の自分を少しずつ取り戻し、こうやってまたここに文章を書くことができるようになりました。

妊娠も出産も人の数だけありますが、私の出産は当初自分が思い描いていた、いわゆる普通の出産ではなかったことをここに記録しておきたいと思います。

2016年9月、安定期に入り6ヶ月になろうかという時に通院していたクリニックでの健診時に胎盤の位置が低いのと臍帯(へその緒)が胎盤から外れて卵膜を走っている可能性があるので今すぐ大きな病院に転院して下さい、と言われる。また、それに伴い考えられる怖いことを色々聞かされる。それまでが本当に順調な妊娠生活だったので、訳も分からない頭真っ白のまま紹介状を握りしめてクリニックを出た。不安で泣きそうになるのを必死にこらえて自宅へ帰ったことを今でも鮮明に覚えている。

紹介先の大病院での初診。期待と不安が入り交じっていた。どきどきしながらエコーを受ける。担当の先生が終始にこやかに健診してくださる。
「赤ちゃんはとても元気で問題ないです。あとは胎盤の位置。このまま胎盤が上がらなければ帝王切開での出産になります。それと臍帯が卵膜から出ている可能性。どちらも今すぐ何かできるものではないので経過を見ていくことになります。不要な遠出はやめて下さい。もし出血があった場合はすぐ管理入院になります。今日はこの後うちの病院で出産する手続きをして帰って下さい。」

「赤ちゃんはとても元気で問題ない」「帝王切開であれば産める」
もう私の気持ちは前向きになっていた。日常生活で無理をしないように過ごし、経過さえ順調であれば赤ちゃんに会える…!大丈夫!!
この子を絶対に無事外の世界に出してやるんだ、そう強く決心した。

2016年12月30日金曜日

クリスマス&年の瀬

もうすっかり年の瀬ですが、クリスマス用にリースの絵を描いたりしてのんびりと過ごしていました。体調の関係で自分自身と調整のつく制作しかしばらくしていないので呑気なもんですが、とても自由な絵を描くことができていて幸せです。




カレンダーもとてもありがたいことに好評です。
今年は活動らしい活動をほとんどできず、ただ家にこもり黙々と自分の制作をした年でした。でもそれはそれは貴重な時間だったと思います。お陰で今のところ描ける絵を描き切って出産に臨めそうです。とても愛しい濃厚な時間だったな〜!色んな意味で愛しかない10ヶ月でした。ありがたや。もうあと少しだけラストスパート走らせてね。

産後は赤ちゃんとの時間をめいいっぱい楽しみたいと思います。そしてまた良いタイミングで絵の世界に還元していきたいです。


恐竜のカードに感謝の思いを添えて発送中〜
青空に大きく立ちのぼる雲の絵から2017年スタートです。


※カレンダーは出産の為、年明け1/5頃までのご注文で一度お店の営業をストップさせていただきます。
shopの営業再開はまたこちらでお知らせさせていただきます。

2016年12月21日水曜日

2017カレンダー

今年も何とか間に合いました。
来年2017年のカレンダーを作りました。
以下より詳細ご確認いただけます。
大間々商店
もし良かったら、お願いします!






幸いなことに、入院を免れている。
色々なリスクが無くなった訳ではないが、ここまで頑張ってくれている赤ちゃんと、様々な治療に耐えている自分の体に感謝です。
少し前まで色んなことがこわくて悲劇のヒロインみたく、この気持ちはいくら話しても自分にしか分からないと思っていた。でもそれはとんだ思い違いで、たくさんの人に寄り添ってもらってきたし、今も寄り添い続けてもらっていることを改めて感じている。だから今の自分があるし、生きていられている。
人間は自分が辛い時、自分だけが1番大変で辛いような気持ちになる。でもそういう風に思うのは決して悪いことではないと思う。自分を抱きしめ、大変だったね、よく頑張っているねと言ってやることは回復の過程でとても大事な事だと思うから。
大切なのはそのような思いの先に、自分の問題とは別に新しい考え方や想像力を働かせることができるかどうかだ。
世界では良いことも悪いことも、自分の想像を遥かに超える出来事が沢山起きている。また価値観も人それぞれで、性別、年齢、住んでいる場所、育ってきた環境などなど、色んな思想を持った他人同士が共通のルールをなんとなく理解して譲り合って暮らしている。当たり前だが、大変なのは自分だけではないのだ。生活をして生きて行く過程には色んな状況がある。本当の意味で他人の辛さや大変さを分かることはできないかもしれないけど、きっとこうだろうな、ここが不安かな、と想像力を働かせることはできる。自分の目の前だけ見ている時間を少し減らして、ふと周りを見てみること。

私は幸運にも、今回の事で赤の他人である私の問題に寄り添い不安や痛みを少しでも和らげようと懸命に努力してくださる方にたくさん出会うことができた。
最初は大丈夫です、と強がっていた私も次第に素直に疑問や不安をぶつけることができるようになり、助けが欲しい時は自ら声を出して頼ることを覚えた。そうしているうちに、落ち着きを取り戻し、現実に冷静に対処することができるようになった。本当に感謝しかない。今、とても大切なことを学んでいる気がする。

2016年11月14日月曜日

寒椿

何かが変わっていく。
いや、大して何も変わっていない。
自分がどんどん変わっていく。
いや、大して何も変わっていない。
周りが変わっていく。
いや、変わったのは自分かもしれない。

毎日お天気が変わるみたいに自分の気持ちがくるくる変わる。
とーっても不安になったり、何故か急にわくわくして楽しくてたまらなくなったり。
自分の力ではどうすることもできない大きな流れに運命を委ねるのがまだちょっとこわいのか。これから変わっていくであろう生活や自分自身のことが分からなくて不安なのか。

絵と向き合っている時だけはそうゆうものが全部静かになって、色とか構図とか自分の世界だけになる。
絵も変わっていくのだろうか。

前向きな変化なら大歓迎。
どんな時も心に花を咲かせていられる人でありたい。




今、お腹の中の赤ちゃんのことでいつ入院になるか分からない不安と闘っている。
珍しい症例で調べてもあまり体験談みたいなものが出てこない。
赤ちゃんはとても健康で元気だ。何とか無事に産んでやりたい。
色々全てのことが無事終わったら、この事についてはまたここで書きたいと思う。

2016年9月12日月曜日

名刺デザイン




























名刺のデザインをいくつかさせていただきました。
フクロウの方は個人でアロマの教室をされている方から、南国のフルーツの方は生活の拠点を台湾に移した大切な友達の依頼で描かせていただきました。

関わる相手によってデザインや色がガラっと変わるのがとても楽しい。
カメレオンみたいにその人の色や形を想像して描く。